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医療法人社団友輝会川崎ひのわクリニック

認知症

認知症とは?

私たちの行動は、脳がコントロールしています。何らかの要因によって脳が障害され、記憶力や認知機能が低下してしまうと、周囲の人と トラブルを起こしたり、日常生活を送ることが難しくなります。やっかいなのは、こうした変化は加齢によっても起こる可能性がある点です。
加齢によるものか、病的なものかで、認知症かどうかの判断が分かれます。
また50-64歳で高血圧を発症していると、血管性認知症のリスクが正常な人に比べて10倍になるというデータがあります。糖尿病や食後高血糖の人も 正常な人に比べて発症率が高くなっていました。
これらの結果から、認知症は“脳のメタボ(生活習慣病)”と呼ばれることもあります。

認知症になる確率は?

筑波大学の朝田教授らの研究で、65歳以上の高齢者の約462万人が認知症であり、将来認知症になる危険性が高い軽度認知障害の人を 含めると4人に1人が認知症もしくはその予備軍と報告されました。調査は年齢ごとの認知症出現率は加齢とともに増加(5歳ごとに倍増)しています。

認知症の出現率

認知症の原因は?

脳の機能障害をもたらすものは意外とたくさんあり、認知症のような症状をきたす病気は50以上と膨大です。
ただ割合で考えるとアルツハイマー型認知症と血管性認知症が多数を占めていて、全体の約8割と考えられています。

原因別認知症の割合

認知症を診察するうえで大事なことは、日常生活の状態を確認することです。初診時の問診では、日常生活の中でできていること、 できていないことを、患者さんご本人とご家族などの双方から丁寧に聞いていきます。その後、必要に応じて認知機能テストや、近隣病院に依頼して MRIなどの画像検査を行い、認知症かどうかの診断を行います。画像検査によって硬膜下血腫などの病変が見つかることもあります。
認知症にはいくつかの種類がありますが、受診のきっかけとなるような、ご家族や介護者が困っている症状は結局のところ疾患によらず 似ていることが多いため、鑑別だけにとらわれるのではなく、その人の性格や生活様式に応じた治療に重きを置いています。
もしかしたら認知症かも!? 10の症状
(1)同じことを繰り返して話す
(2)置き忘れやしまい忘れが多い
(3)ものの名前が出てこなくなった
(4)知っている人の名前が出てこない
(5)だらしなくなった
(6)ささいなことで怒りやすくなった
(7)約束を覚えていないことが増えた
(8)外出をおっくうがるようになった
(9)財布を盗まれたなど妄想が出てきた
(10)気分が落ち込みやすくなった

軽症のうちから介護保険サービスを活用し、さらなる進行を抑制

認知症の診断であったときに、患者さんやご家族と相談しながら、デイサービスなどの介護保険サービスを 積極的に利用するようにお勧めしています。
介護保険サービスの利用は、ご家族の介護負担軽減のためだけでなく、認知症の進行を抑制することにもつながります。 外の空気に触れ、さまざまな人と触れ合うことが脳の活性化につながります。すでに何らかの介護保険サービスを受けている患者さんの場合は、 利用している介護施設から患者さんの様子や印象、介護スタッフの意見など患者さんに関する情報を収集し、それを治療に活かしています。

認知症患者さんご本人に適したお薬の見極め

薬物治療を行う際は、現在5種類ある認知症治療薬について説明し、ご本人に合うお薬を探していきます。 そして服薬を開始した後は、まず副作用が起こっていないかどうかを確認し、問題がなければそのまま継続して経過を観察します。 さらに、定期的な診察で患者さんやご家族から普段の体調や日常生活の様子を聞き取り、患者さんの状態に応じて処方を変更しながら、 ご本人に適した薬物療法を見極めていきます。
「認知症」でも穏やかに過ごせていれば良いのですが、どんな患者さんにも多かれ少なかれBPSD(周辺症状)はあります。 本当は病院に連れて行きたいと思っていても、患者さんが抵抗してうまく連れ出せないこともあるでしょう。 ご本人、ご家族のニーズに応えたいと考えています。
それまで通院していた患者さんが訪問診療や往診に移行する場合もあると思います。
大切なのは、まず診察を受けてもらうこと。
すべての認知症患者さんが治療を受け、住み慣れた場所で安心して暮らせる医療・ケアの実現できるよう、患者さん一人ひとりとしっかり向き合う診療を続けていきます。

ぜひ一度、ご相談ください。
おうちに帰ることで初めて達成できるもの
具合が悪くなったら病院にいくと治してくれる、と皆様はお考えだと思います。確かに病院でないと無理な治療もたくさんあります。しかし特にご高齢の方にとっては、 病院にいったから悪くなった、逆にお家に帰ったら良くなった、ということは少なからずあるのです。
ご自宅では身の周りのことを自分でやらないといけませんが、ベッドから動かなくても生活できるのが病院です。病院にいるだけで自然に機能が衰えてしまうのです。
本来のご自分を取り戻し、ご自分の人生を生きている感覚が戻り、元気になる方がたくさんいます。
ご自宅に帰ってみたら病院に入院されていた時と全く表情お顔が違って輝いてみえることがよくあります。『この方があのまま入院していたら絶対にここまでお元気にはならなかったろうな』と感じます。
つまりお家に帰ることが一つの処方ともいえるわけです。

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